2020年8月18日火曜日

馬・ウマ・うま

数日前、ケーブルテレビで『ホース・ソルジャー』という映画をみました。
9.11直後の対テロ戦争においてアメリカが最初に行った反撃の話で、
総勢数万のタリバン軍にわずか12人で、それも馬に乗って戦ったアメリカ軍の実話をもとにした映画です。
ですが、見るまではどんな内容か全然知りませんでした。
惹かれたのはタイトルに「ホース」とあったから。
馬好きの私としては“馬が出てくる”というだけでチャンネルを合わせちゃいました。


ということで(?!)、今回は映画の内容の話ではなく馬のお話を。
私が馬を好きになったのは、小学1、2年生の頃に読んだ「スーホの白い馬」という
絵本がきっかけでした。モンゴルの草原に暮らす少年と、その少年が飼っている
白い馬のお話です。
それを読んで以来、私の夢は いつかモンゴルの草原を馬に乗って走ること!!
大学で馬術部に入ったのも、「草原を馬で走るためには乗れなくては」と
思ったからです。

入試前日に大学の下見にいったときも、真っ先に目に入ったのは試験会場となる
建物ではなくて、馬場に放牧されていた馬たち。
「馬だぁ~」と雪の中でのんびりしている彼らをバックに写真までパチリ。
無事 大学には合格でき、さっそく馬術部に入部。
馬術部と聞くと、結構な確率で“優雅”なイメージを持たれがちなのですが、
それはきっと東京の私立大学に通うようなお金持ちの方々のお話。
“マイホース”をつれて馬術部に入部する超ド級の方々もいらっしゃるとか。

一方で私たちは朝・昼・夕と馬に餌をやり、水を替え、馬の手入れをし、
馬房(ばぼう:馬小屋の中に区切られた1頭ずつ馬が入る部屋みたいなもの?!)の
掃除をして…と基本 作業着に長靴姿です。
そして国立大の馬術部は金欠でいつもヒィヒィ言っています。
馬の餌代、毎日替える寝ワラ、試合の際に馬を運ぶ馬運車(馬を10数頭乗せるような
大きなトレーラー)での輸送費etc…すべてが部費とOBからの寄付、大学からの
補助金で賄われているため、部活のためのアルバイトまでが活動の一環。
多かったのは牧場の作業の手伝いや、その牧場がしているバーベキュー屋の手伝い。
中でも一番楽で割がいいのが競馬場でのバイトでした。
競馬場でのバイトと言っても馬券売り場での仕事ではありません。
馬の扱いに慣れている馬術部員はもっと中の仕事を任されます。競馬のゲートに入る
馬たちの後ろでヘルメットかぶってロープもっている人たち、あれは男子部員が
よくやっていました。

女子部員が担当するのは装鞍所(そうあんじょ)と呼ばれる馬に鞍をつける場所で、
レースに出る馬が一時的に入る馬房の掃除など。近くにはレースに出る馬と調教師、
そしてジョッキーたちがいます。大きなレースになるとかなり有名な馬や
ジョッキーも来るため、すぐそこを武豊さんが歩いている、なんてことも。
それにしてもジョッキーって本当に小柄で細いです!間近で見たらなおさら!!
あとは、パドックと言ってファンが馬券を買う前に馬を下見をする場所で、
そこにいる誘導馬の世話がありました。出走する馬たちはパドックから本馬場へ
向かい、その際に赤い服着て白い馬に乗った人が先導していくのですが、
その白い馬が誘導馬。競馬場では1日に何レースもあるので誘導馬は
パドックと本馬場を何度も往復するため世話係が必要になるのです。

って、アルバイトの話ばかりになってしまいましたが、ここからは本来の
活動について。馬は超早起き。なので人間がそれに合わせることになります…。
練習は毎朝5時からでした。冬は5時半からになりましたが、氷点下にもなる
真冬の札幌で朝5時も5時半も大して変わりありません。。。
友達と明け方まで飲んだ日は、そこからまっすぐ朝練へ、なんてことも。
馬術の競技は主に障害飛越(障害物を決まった順序で馬に飛ばせていく競技。
障害物を壊さず、タイムが速いほど高成績)と馬場競技(乗り手が手綱と足で
馬に指示を与え、決まった動きをさせる。斜めに歩かせたり、並み足から駆け足に
させたり、後ろ向きに歩かせたり。3人の審判が項目ごとに点数をつけて判定)
という2つがメインとなります。

日々の練習で重要になってくるのは馬の性格を把握しながら(←これ超重要。
神経質な子もいれば、ちょっとやそっとでは動じないと泰然と構えた子も、
超プライド高い子もいます)、いかに自分の意思を伝えるかということでしょうか。
活動の中でも私が一番好きだったのは外乗(がいじょう)と行って馬場の外に
馬に乗って出かけることでした。
大会では基本馬は初めてみる障害物を飛びます。中には水たまりのような
障害物などもあります。臆病な性格だったり、水が嫌いだったりすると障害物の前で
馬が急停止なんてことも…。そうすると、乗ってる人間だけが勢いはそのままに
前に吹っ飛び“落馬”となります。落馬すると失格となってしまうので、初めての
景色などでも怖がらないようにという意味もあって、時々馬場の外へ出ていました。
だいたいは馬場から出て大学構内をカッポカッポと歩きます。
ポプラ並木もよく行きました。
水があるところ、ということで わざと池の周りの近くを歩かることも。
実は、この池が曲者で周りには木が生い茂っています。馬の頭の高さには
ないのですが、馬に乗っているとちょうど顔の位置に枝が張り出している
場所があり、毎年と言っていいほど、新入生がそれにぶつかってました(^^;;
馬がかがんでくれる訳ではないので、自分が身を低くするしかないんですが、
ボーッと乗っていると顔面で木の枝を受けることになります…

ときには大学構内を飛び出して、大通りなどまでいくことも。
道交法でいうと、人が乗っていれば馬は軽車両扱いなので単車と同じ。
車道の脇を歩きます。
朝早く大通りを散歩をしている観光客が珍しがって「写真撮らせてください」と
傍にやってくることもありました。
やっぱり、馬ってだけで北海道感がアップされるんでしょうかねぇ^^♪
馬たちは冬になると突起がついた冬用の蹄鉄をつけるので雪道も平気。
ただ、その蹄鉄で足を踏まれると痛いんですよねぇ。。。
私がコロコロ転ぶ横で、自分だけは突起がついた蹄鉄を雪道に踏みしめ、
「何をしているんだ…」という感じで冷ややかに見られていたこと、
思い出しました…(-。-;


ここまで一気に文章だけをズラズラと書いてしまいましたが、残念なことに
当時の写真が見当たらないんですよね…。
どこにしまってしまったんだろう。。。
懐かしい懐かしい、かなり昔の思い出です。

そうそう、最後に。
モンゴルの草原で馬に乗る、というも夢叶いました!
が、その話をしてたら終わらないので、それはまたいつか。

OP Y野


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