2019年7月22日月曜日

届いたその先


先日、友人と「吹上町」へドライブに行ってきました。綺麗な海岸もあり、シーズンになるとサーフィンを楽しむ人もいる、鹿児島の観光スポットです。
私たちの目的は、窯元めぐり。
吹上町の一区画では、個性豊かな陶器の数々を見ることができます。ゆっくり廻り、色々な陶器を見ながら「コーヒーを飲むなら白い陶器かな」と、想像を膨らませながら最後の窯元へ。

趣きのある木造の門構えが期待を膨らませるそこは、ちょっとだけ他の窯元から離れた場所に位置する窯元でした。「いらっしゃいませ」と白く長い髪をした70代くらいのご主人が出迎えてくださいました。

並べてある器やカップはどれも渋くて私好みで友人と「ココ、すごいね」と小さな声で会話しながら見て回りました。綺麗な紺色をした器や、まるで溶岩から作ったような肌触りの黒々とした器など、色も形も他の窯元とはちょっと違うものばかり。

「僕の作る陶器は他の窯元とちょっと違うでしょ」

テーブルに座り肘を軽くつきながら、私たちにご主人が笑顔で話しかけてくれました。

「僕が作ると、どれも変わったものばかり出来上がっちゃうんですよ。近くの山で土から僕が採集するから本当に手間暇がかかってる。でもね、ただ作りたいものを作ってる訳ではないんですよ。」

「僕の器は使ってこそ価値がある。例えば、そこに在る縦長の器。灰色や黒色、青色と様々な色が混ざっているでしょ。これにはお刺身をチョン、チョンと乗っけてもらうだけでご馳走に見えるんじゃないかな。向こうの大きめの器だと、パスタなんて入れてみたらカッコいいし、美味そうでしょ?」

笑顔で話すご主人のお話はとても納得のいくプレゼンで、聴き入ってしまいました。

「僕は必ず、器が届いたその先の人や場面を想像して作ってるんですよ。だから僕の器たちを購入した人はまた買い足しに来てくれる。」

その言葉を聞いた時、仕事のことが頭をよぎりました。
私たちの日々の仕事はお客様と顔を合わすことが殆どありません。その分、様々な想いを込めて業務を行なっていきます。
私たちの仕事もこのご主人と同じく、お届けしたその先をもっと想像し、「さらに満足いただくためにはどうしたらいいか」を考えていかなければいけないと改めて考えることが出来ました。

ただのお買い物では得ることが出来ない、大切なことに気づかせてくれた窯元のご主人。

「姪っ子がインスタした方がいいよ!と薦めるもんだから、始めたんですよ。よかったらフォローしてください」と、行動力と好奇心旺盛さにもびっくり!とても充実した時間を過ごすことができました。

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