2019年12月5日木曜日

容認と許容?すみっコのはなし

しろくまに、えびふらいのしっぽ、とんかつのはしっこ……
好きな食べ物?いえいえキャラクターの話です。
詳しくは知らないよという方も、聞いたことはあるかもしれません、すみっコぐらし。

そのメンバーはと言えば!冒頭に挙げたように寒がりで北から逃れてきたしろくま(しろくまなのに!)恥ずかしがり屋で周りに気をつかってばかりのねこ、食べ残されたあぶらみの多いとんかつ(のはしっこ)などと、やわらかいタッチのイラストに似合わず、いわばアウトローばかり。
手がけるサンエックスさんは、たれぱんだにアフロ犬、こげぱんとそんなところに
スポットライト当てちゃいますか!といった名キャラクターを昔から生み出してきているのですが(もちろんリラックマも)、それにしては、「すみっこがすきなやさしい生き物たち」ってあまりインパクトのない面々かなと私も思っていたんです。
ええ、映画すみっコぐらし「とびだす絵本とひみつのコ」を観るまでは……。
お話の筋はとてもシンプルで、すみっコの仲間達が偶然見つけた絵本の世界に吸い込まれ、
物語の登場人物となりながら絵本から抜け出す方法を探してまわるという冒険譚です。
絵本の中に出てくるお話は有名な童話ばかりですから、私達には次に何が起こるかも
大体想像がつきます。ついていても、思わずクスッときて、ついついキャラクターに声をかけたくなってしまう、引き込まれる世界だったのです。すみっコたちはセリフをしゃべりませんが、時折画面に文字でセリフが出ます。それを実況のように、ときに応援だったり、見ている人のツッコミを代弁するかのようにナレーションが入り…絵本をモチーフにしているのをなぞるかのように映画を観ている側も動く絵本を読み聞かせられているかのようです。

…ところで、すみっコたちは皆はぐれものです。同じ種族の中では皆が得意としていことが全く得意でなかったり、自分の正体を隠していたり、そもそも自分を探していたり。でも、自分のそういうところを悪いことだととらえて克服しなきゃと考えているわけではありません。もちろん逆に、魅力にしようとアピールしたりするわけでもありません。あるがままを受け止め、すみっこに居ることを互いに許しあうだけ。これってすごいことですよね。
受け止め認めた先に増えた新たなすみっコを連れ、ハッピーエンドを迎えるかと思ったそのときに、どうしようもなく残酷な現実が突きつけられます。「どうして!フィクションなんだから皆を幸せにしてくれたらいいじゃないか!」と私は泣きました。おそらく、映画館で泣いていた人皆がそう思っていたんじゃないかと思います。お話の世界なのに都合のいい魔法は使えないのです。やはりそこでも、受け止めるしかない。それがすみっコの本質だし、そこに救いがあるとも思うのです。

え?そんな話なの?と思った方はぜひ、ご覧になってください!
そんなあったかい話は受けつけないぜ!ただひたすらに現実に絶望したい!という方は少し昔の映画ですが「メメント」を観てみてください!


以上、すみっコではおばけ推し、OPのSでした。


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