2015年7月13日月曜日

読書感想文

 面白い本を挙げるとしたら、1つは『ファーブル昆虫記』です。子供本ですが、私は結構な大人になってから読みました。そして数行だけでハマっちゃったのでした。
 
昆虫の生態がそれはもう詳しく詳しく、難しさのかけらもない言葉で、しかもユーモラスに書かれています。描写がまた分かりやすくて素晴らしい。まるで目の前に巨大スクリーンがあって、そこにフルカラーの昆虫が超アップで映し出されている感じです。もっと知りたい、もっと早く読みたいと、ドキドキしながらページをめくりましたとさ。

 しかし私は、自分に関する大切なことを忘れていました。それは、昆虫が苦手だということ…。どれくらい苦手かといえば、今も『昆虫』という文字を入力するたびに、あの触覚で首筋を撫でられたような気がして悲鳴を上げたくなるくらいです。よってハリーポッターにならい、以下『名前を呼んではならない彼ら』と書くことにします。

さて『ファーブル名前を呼んではならない彼ら記』を読み進めるうちに、私は巨大スクリーンの鑑賞を通り越して、映像の中に入ったかのような錯覚を覚え始めました。すぐ目の前で、名前を呼んではならない彼らの、数ミリの手足や口が数メートルにクローズアップされています。茶色だったり黒光りしていたり、毛に覆われていたり関節の数が多かったり、動いたり食べたりしています。ああこんな豊かな世界があるのかとワックワクしました。そして背中がゾックゾクして脂汗が出ました。ちょっと観るのを、というか読むのをやめまして、休憩を挟んでまた読んで…。こうして興奮と悪寒を交互に感じるうちに、私は気分が悪くなってきました。なんとか一章、数十ページは読み終えましたが、それが限界でした。本を閉じても巨大スクリーンは頭の中から出て行ってくれません。翌日もその翌日も、いきいきと実にいきいきと再生され続けます。日が経つにつれて再生の頻度は落ちましたがゼロにはならず、暮らしの中でいきなり画像が浮かび、そのたびに「ぎゃあ」とか言ってしまうのです。あれだ、PTSD。強烈なショックを受けた後にくる、あれ。結局、思い出してもウスラボンヤリという状態になるのに、1年近くかかったと思います。

私が読んだ『ファーブル名前を呼んではならない彼ら記』は、ダイジェスト版だったのか全12章くらいでした。完読したかった。ぜひともたいへん心から。でも1章を1年がかりって全編終わるの次の干支で、その間、身体と心が耐えられるのか…。無理でしたー。

皆さん、『ファーブル名前を呼んではならない彼ら記』、オススメです★ 時あたかも夏休み、山野で、名前を呼んではならない彼らが大活躍です。 ぜひご一読下さい!
H山でしたー。 

 

↑名著にして禁書

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