少し前、お母様を亡くされた子供さんに電話をした時はこんなことを言われました。「良いことを言った方がいいのかもしれないけれど、良いことを言えばそれは嘘になる…うちは普通の家庭とは違うんです。私たちは母親のぬくもりや愛情を知らない」
思い出を聞けども、良い思い出は1つもない。
憎らしいことは言われたけど、感謝の言葉は最後までなかったのだとか。さらに贈りたい言葉は「許す」でした。
電話を切ったあと、正直どうしようかと思いました。
でも、このご家族が礼状なしでも、定型でもなく、オリジナルを選んだことには意味があるはずだと考えて「許す」という言葉をキーワードにして作ったお礼状。キャンセル覚悟で書いたものの、修正もなくOKのご連絡を頂けてホッとしましたがあらためて「オリジナル会葬礼状」の意味を考えさせられる仕事だった気がします。
良いこと、きれいなことだけを書き並べるのが私たちの仕事ではありません。
ご遺族の思いに寄り添い、心の奥深くにある気持ちをくみ取り、それを文章で表現する。
お世話になった方へ感謝を伝えるのも会葬礼状、胸の内にある想いを告白して前へ踏み出す力にするのもお礼状…いろんな形のオリジナル会葬礼状があり、それでいいんだろうなと思います。
なぜ「オリジナル会葬礼状」が選ばれたのか…
ご遺族の伝えたい想いを察する力を磨き、今日も励みます。
OP N園
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