けれど、芋焼酎の香りが好き。
その香りをかぐと、亡くなった祖父のことを思い出します。
戦争を経験していて口数が少なく、頑固で短気…
取材をするとよく耳にする、普通のおじいちゃん。
夕食の時間になるといつも決まった上座の席に座り、焼酎の香りをただよわせ、白波のお湯割りを飲んでいたおじいちゃん。
私が中学生や高校生になると何を話していいか分からず、何を考えているのかも分からず祖父の家にはあまり足を運ばなくなったもの。
しかし マコセで働くようになり、たくさんの方の話を聞かせて頂き、祖父の本当の姿に気づかされました。
幼い頃、護国神社の芝生で遊んだこと。
帰り道に通る駄菓子屋でアイスを買ってもらい、通り道の自動販売機で祖父の好きなオロナミンC。
行きつけの床屋さんでカットしてもらったおかっぱ頭。
お祭りで買ってくれた綿あめ。
両親に内緒でこっそり握らせてくれたおこづかい…。
振り返れば 次から次へと優しい祖父の思い出が浮かんでくるのに、そんな祖父に気づけなかったことを とても後悔をしています。
本当は一番優しくて思いやりがあって、でも不器用で愛情表現が苦手だった祖父。
もっと私が大人だったら、祖父の胸のうちの思いを気づくことができたら、もっと優しくできたし、伝えたいことも かけたい言葉もたくさんあったのに…
もう一度会いたいという願いは、今 叶いませんが、この思いは届いているでしょうか?
二度と後悔しないために、祖母や両親が元気なうちに、たくさん話し、喧嘩し、笑い合いたいと思います。
ご遺族の方々の話にもよく耳を傾け、私のように口にできなかった思いや、感謝、伝えたい言葉が届くことを信じ、お礼状に綴っていきます。
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